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2023.8.20資産運用

15年後に元本の140%が保証されるオフショア積立投資は危険??

最近よくあるご相談で、15年経過すると元本の140%が保証される海外の積立商品を案内されているけど安全な投資なのだろうか?というお話が増えています。

本当であれば誰もが投資したくなる投資話だと思いますが、そんな甘い話があるでしょうか。

この投資商品を販売する”とある保険会社”について、金融機関側からの視点も含めて解説していきます。

140%の確保が難しい理由

元本確保の仕組み

元本確保は国債の金利を基準に仕組みを作ります。

債券は取引時点で一定期間の利回りが確定しているからです。

そのため、金融の世界では、米国債の金利はリスクフリーレートと呼ばれています。

従って、運用機関等の手数料を差し引いたとしても、一括投資であれば債券を利用することで15年後に元本100%を確保することは十分に可能だと考えられます。

しかし、これだけでは140%を保証するには足りません。

140%に必要な条件

毎月の積立投資で15年後に140%を確保するために必要な利回りは約4.33%です。

この商品が提示している運用機関と販売会社の手数料を加えると、必要な利回りは年平均7.5%程度となります。

年平均7.5%は投資商品の利回りとしては高い水準です。

先ほどのリスクフリーレートで考えると、コロナ後の金利上昇により米国債10年は金利4%を超えています。

仮に全ての資金を米国債に回して元本確保ができたとしても、S&Pにリンクする仕組みや運営、販売にかかるコスト(手数料)を考えると、140%の保証は成り立ちません。

香港の他の保険会社との比較

香港では世界中の大手保険会社がビジネスを展開しています。

そして、一部の保険会社は”とある保険会社”と同様にオフショア地域に本拠を置いて運用を行っており、元本確保を備えた商品を展開しています。

しかし、比較してみると内容は全く異なります。

これらの商品は市況に合わせて運用利率が毎年更新され、また保険料の払込み期間によっても元本確保期間が調整されます。

この様に細かい設計になっているのは、元本確保機能がそれだけのリスクを伴っているからです。

そして、各社の平均的な元本確保(100%確保)のラインは、一時払いで13年程度、月払いだと20~24年経過程度となっています。(2023年7月時点)

元本確保を提供していたライバル会社の破綻

2020年にPremier Assurance Group SPC Limitedというケイマン籍の会社が破綻しました。

顧客から集めた資金を私有化し、その発覚を免れるためケイマンからプエルトリコにドミサイル(本拠地)を移管しようとしましたが、ケイマン当局によってその証拠をつかまれ、保険ライセンスを剥奪・会社清算に至ったようです。

Premier Assurance Groupを親会社に持つ保険会社プレミアトラスト(通称PA)は、2005年設立のケイマン諸島に籍を置く保険会社で、日本でもファイナンシャルプランナーや税理士等が同社の元本確保型商品を販売していました。

実は、この会社が販売していた商品も、S&Pに連動した運用で一定年数経過すると140%や160%を保証するという元本確保型の積立商品でした。

プレミアトラストは現在、ケイマンからプエルトリコに本拠を移管済みで、清算手続きを免れた一部の資金を元手に今も活動をしているそうですが、顧客は清算時に大きな損失を被ったようです。

そしてこの“とある保険会社”もプレミアトラスト同様、最近本拠地をケイマンからプエルトリコに移管しました。その必要性とは何だったのか、色々と勘繰りたくなります。

「フリーランチはない」

「フリーランチはない」有名な投資の格言です。投資に「絶対に儲かる」とか「ローリスクハイリターン」と言った美味しい話は無いということです。

金融商品は株や債券も含めてリスクとリターンは必ず相関しています。

ローリスクであればローリターン、ハイリスクにはハイリターンです。

資産運用を考えている人にとって、「元本確保」や「保証」という言葉はとても魅力的です。

自分の興味のあるものや探し求めていた情報にたどり着くと「これは良い投資話だ」と自分自身の願望を肯定するバイアスが働きます。

冷静に考えれば気になる疑問なども「大丈夫だろう」と見過ごしてしまう、というのは投資ではよくあることです。

表向きはローリスクハイリターンに見えたとしても、裏側には必ず見えていないリスクが潜んでいるか、またはノーリターンの詐欺スキームかも知れません。

まとめ

こちらの投資商品については、運用の仕組みについて納得のできる回答が全く得られなかったため、弊社では取り扱いを見送った経緯があります。

投資は自己判断です。手に負えるリスクの範囲で投資することを心がけていただければと思いますが、一方でこの投資をあえて選ぶ理由もないかとも思います。

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